大ざっぱも、大胆も、大らかも、根っこは同じ
これまで、子どもや大人の行動実験をいろいろ行ってきたのですが、TVと協力し合っての実験も数々ありました。左の写真はそれらの一部をまとめたものですが、とても興味深い結果がたくさん記録されています。なかでも私が国内外のゼミでよく紹介するのは、「子ブタをつかまえる」実験です。これは血液型ごとのグループで行った大人の実験でした。
1.柵の中に子ブタを10匹放します。
2.グループで協力し合ってその子ブタたちを檻の中に入れ戻します。
3.そしてどのグループが一番速いか競争しました。
子ブタちゃんは逃げ回り、重いですし、けっこう大変そう!
結果は実に興味深いもので、それぞれの血液型の特性が、あまりにも見事に表れていたのでした。
この結果で一番になったのはO型なのですが、インドネシアのゼミでこれを絵に描いたりしながら話しますと、聴いているO型さんたちから大歓声が上がり、拍手喝采になります。(←インドネシアのO型さんは反応がとてもイイ)
では彼らがどんなふうに檻に集めたかというと、画像のような感じです。彼らは子ブタを一カ所に集めて檻をかぶせたのです。他のグループは一匹一匹を追いかけまわして捕まえていて、これは唯一、O型グループのみの発想でした。
とっても効率的!賢い!そしてすごく大胆!ですよね。
とにかく、こうしたO型の"大胆さ"というのは、どんな行動実験でも表れますし、日常のあらゆる場面でも垣間見ることができるのではないでしょうか。
大胆過ぎたO型のオジサン
前置きが長~くなってしまったのですが、こんな出来事がありました。(今回はこれを話したかったのです)私は今、一軒家を借りて住んでおり、お隣にはとても親切なO型のオジサンがいらっしゃいます。そもそも私の貸家のオーナーさんとこちらのオジ様はご兄弟でもあり、駐車スペースなんかは共有して使わせていただいているのです。
それである日のこと、オジサンがその駐車スペースで何やら作業を始めています。いつもやってもらってばかりいるので、私もたまには手伝わねばと、いざ外へ。
どうやら、駐車スペースのトタン屋根の柱が腐ってきたので外して交換しようということらしいです。
それでオジサンはどうしたいかというと…。
トタン屋根は留め金で組んであるのでバラバラに崩したくはない。(その気持ちは分からなくはない)
なので、屋根をずらして柱を取り除きたいのだと言います。
なるほど、そうか、分かったよ。
この時点で既に、「さすがO型さん大胆…」と心の中では思っていたのですが。
とにかく私は、「では、私が屋根を支えていますね!」と、潔く自分の役目を申し出ました。
すると、2番目の画像のようになるわけです。
それで私はこの態勢で屋根を支えながら、オジサンに訊きました。(この辺でわずかにイヤな予感が)
「でも、この後はどうします?後ろ側の柱はどうやって取り外します?」
しかしオジサン、「うん、いや、そうねえ…」と、なぜか言葉をにごしています。
え?迷うことなの?状況は分かってるでしょ?
私はそう思いながら、けれどあくまでも(AB型らしく)平静を保ちながら、続けてオジサンに言いました。
「後ろ側の柱の向こうに、とりあえず支えになる仮の柱を立ててからの方がいいですよね?」
ところがオジサン、「うん、そうねえ、でも、全部外しちゃおうかと思って…」などと、ネジを回しながらブツブツと言ってます。
え~?この態勢のまま、全部の柱をはずしちゃうの!?(うっそ~!!)
と、私が度肝を抜かれている間にも、オジサンは柱を取り外す作業をやめようとしません。
つまり私は、3番目の画像のような態勢に追いやられたわけです。
私はたった1人で屋根を支えています。
屋根はトタンなので何とか支えられる重さではありますが、けっこうな大きさがあるので、長い時間は無理ですよ!絶対に!
「う~んと、あっ、ちょっとだめかも~!あ、あと数分なら頑張れるけどぉ~」
と、踏ん張り切れなくなってきた私は、オジサンに助けを求めました。
たぶんオジサン、心の中ではけっこう焦っていたのだと思うのです。
しかし、言葉と行動は非常にゆったりとしており、
「う~ん、そうねえ、イメージでは上手くいくはずだったんだけどなあ」
などと、悠長なお言葉。
そしてやっと、思いついたように言いました。
「あ、うん、そっちに仮の柱を立てればいいよねえ」
そうでしょう!?だから言ったじゃん!
しかし、仮の柱を立てるにはそれなりに時間がかかりますよね。数分ってわけにはいきません。
オジサンが「大丈夫?」と、ときどき声をかけてくれますが、屋根を両手で支えながら、重量あげ選手の気分を通り越してすでに苦行の域に入っている私は、「あんまり大丈夫じゃないですぅ」と、正直に答えるしかありません。
そしてとうとう、あ~このまま崩れるかも~と思った瞬間、神の助けが…!
「あらあら~何やってるのよ~」
オジサンの奥方が、ちょうど買い物から戻ってきました!
フーッ…。こうして奥様登場のおかげで、屋根が崩壊して私がその下に埋もれるという大惨事は、何とか逃れることができたのでした…。
O型さんのこういう驚きの大胆行動は、子どもたちにも非常に多く見かけます。
そして「え~それやっちゃうんだ!?」「そうきたか~」と、感動にも似た気持ちになり、そういう場面は、私がもっともO型さんを愛おしく思ったりする瞬間でもあるのです。
なのでこの時も、腕はかなり痛かったのですが、心の中では「コレってO型じゃん!コレってO型じゃん!」と、私はずっと笑い続けていたのでした。
ひたすらにまっすぐな思考と行動
さて、このO型の行動。どうしてそうなってしまうのか?それはすでに能見正比古が、その真髄を突き止めて明かしていますが、O型が”直線的な思考”の持ち主だからなのです。
O型は、結果のイメージを思い描いたとたん、それに向かって思考と行動がまっすぐに→→そこへ向かおうとします。そしてそれにはけっこうな勢いがあり、発進したからには行っちゃうしかない…つまり、自分でもやめられないらしいのです。
このオジサンも「イメージではうまくいってた」と言いましたが、最初にイメージした手順があったものだから、途中で私が進言してもそれを聞き入れることがなかなか出来なかったわけです。
こういう場面を見ると、他人はO型を「ガンコな人だ」と思ったりするかもしれませんね。
そしてまた、O型が大ざっぱだとか、あるいは大らかな人だとか、そういうイメージを持つこともよくありますが、おそらくそのほとんどは、このO型の、極めて特徴的な"直線的思考"によるものだと考えています。根っこは全て、そこからきているのではないかと思えるのです。
あえて付け加えると、O型の人には、しばしば非常に緻密な作業をする人が見受けられます。そういうのを見ると、「いやO型は細かいよ」と思うかもしれません。
O型の人には、手先が器用な人がけっこういらして、そういう人は職人さんやアーティストになっていることが多いのですが、それは後々、学習して身に着けたものだと考えた方がよさそうな感じです。ですので、「私は全くの不器用だわ」と思っているO型さんは、たまたまそういう面を学ぶ機会がなかったために、手先の器用さを磨かなかったのではないでしょうか。
学習すれば、どんなことも体に素直に浸み込むのがO型なんですから。
それにしてもO型の、その素直でまっすぐな、すくすくとした気質。
それらをよ~く理解して生かしていくなら、あとは学習次第で何にでもなれそうではありませんか。
もちろん、現実はそう簡単ではないのも分かりますが、複雑で面倒な回路を持つAB型の私からすれば、それは羨ましい限りでなのです。