2020-05-21

コロナウィルスとABO血液型の関係

ホントにA型が罹りやすいの?



今回の新型コロナウィルスに関して、発生源となった中国武漢市において血液型に関するデータが発表されたことを中国と香港のABO血液型研究者たちから聞きました。「そんなデータがもう出たの?」と、チャットで知らされ驚いていたのですが、その数日後、日本のニュースにも流れておりました。情報元の論文を確認することは出来ていないのですが、ニュースに上がってしまった以上、まずは概要を紹介しておくことにします。

中国のニュースより(2020年3月18日発表)


NEWSポストセブンより引用
内容は、武漢市と深圳市のコロナウィルス感染者2173人について調べたところ、次のようなABO血液型分布になったといいます。

ABO血液型の新型(2019年)コロナウィルス患者数・死亡者の分布(2020年3月)
  OABAB 
感染者分布(※) 25.80 37.75 26.42 10.03
死亡者分布 25.24 41.26 24.27 9.22
武漢市の血液型分布 33.84 32.16 24.90 9.10
(※)記事では"感染者数"と記載しているが正しくは"患者数"と思われる。

 一応、有意差検定を行ってみたところ、患者数・死亡者数いずれも有意差があるとでました。
この結果に関して、記事では以下のように説明しています。
どうして血液型によってこんなに差がついてしまうのか。米ハーバード大学院卒の医学博士、左門新さんはこう分析する。 

「コロナウイルスにかかるメカニズムにヒントがあると思います。人間の肺にある『ACE2』というたんぱく質でできた受容体がウイルスを取り込んでしまうことで感染が起きるのですが、そのとき、受容体にウイルスがくっつくのを邪魔する物質が存在する。それが『抗A型抗体』。A型の人はこの抗体を持っていないのです」

『ACE2』に関する参照
●Cyagen
●東京大学医科学研究所
 ●AASJ

というわけですが、ACE2に注目した研究はこれからということで、更には血液型の抗体を関連づけた研究が行われるかどうかについては、今のところ言及されていないようです。

しかし、AB型も同じように抗A型抗体を持っていませんが、AB型の患者数や死亡数はA型のように多くはありません。
ACE2は人の肺にある受容体ということを考えるなら、ウィルスが肺に侵入するのを阻止できれば、普通の風邪ぐらいの症状で治せるということでしょうか。

またそこで、他にも考えられるA型のデータがあります。これまでの我々の調査(主に体質などのアンケート調査)では、A型が気管支炎、咽頭炎、肺炎などにかかりやすいらしい、というのが分かっています。これについて今のところ科学的に確かなエビデンスはありませんが、『血液型健康ダイエット』のPeter J D'Adamo博士によれば、過剰な上皮成長因子(EGF)のせいではないかとも述べられています。(D'Adamo博士は他にも各タイプの体質についてさまざまなことを述べているのですが、現在のところ、博士の研究を検証するには至っていません。)

つまり、口や鼻から侵入したウィルスは喉に付着し、その時点で免疫システムが効果的に働けば、肺への大量のウィルス侵入を防げるわけですが、A型がここでも防御しづらい要因を持っているとするなら、今回A型が示した有意性には意味があるのかもしれません。

ただし、今回のウィルスに、A型だけが感染したり発症したりするというのでもないわけで、他のタイプより、ややリスクが高そうだというくらいに捉えておいて良いのでしょう。
いずれにしても、どのタイプにとっても感染しないに越したことはありません。しかしこのウィルスが簡単に消滅しないものだと予測するなら、感染しても発症させず、体に抗体を作らせるのもひとつの策であるといえます。ワクチン開発もそれと同じ意味を成します。

さてここで、今後私たちが心がけることは、まずは手洗いやうがいなどの衛生面で水際対策をするにしても、日頃から自分の免疫力を高めておくことを心がけ、そして万一、「あれ、風邪をひいたかな?」と思ったら、早急に自力で治すことも考えておいた方がよいでしょう。

日常の予防策としては既にいろいろ言われていることですが、以下に簡単にあげておきます。
・水分を多めに摂る。(主に真水。緑茶も良いらしい。)
・日光によく当たる。(1日15分~30分。ビタミンDを生産するために必要。日焼け止めクリームで効果が阻害されるが、日陰でも効果があり、また手の甲に当てるのでもOKとのこと。その他食事でビタミンDを摂取するには青魚、うなぎ、乾燥きのこ類など。)
・ストレスをためない。
・身体を冷やさない。(喉や肩、腰、手首足首などを冷やさないように。)
・笑って過ごす。
・バランスのとれた良質な食事。(免疫力を高める食品、発酵食品、海藻類など。)
・充分な睡眠をとる。
・ネガティブな情報ばかりに注視しない。

A型の人が少々リスクが高いのだとするなら、これらの予防策を充分に行うことをお勧めします。

次に、万一風邪をひいた場合の現場の医師たちのアドバイスをまとめてみたので参考にして下さい。

「風邪をひいたかな?」と思ったら!

◎とにかくすぐに横になって休む!(この時、テレビやスマホは見ずに、部屋を暗くして目をつぶっていること。)
◎熱を上げることで免疫システムをフル稼働させるので、熱さましや風邪薬は飲まないこと!(風邪薬や頭痛薬でかえって悪化することもあるので薬の服用は避ける。ただしほんのひき始めに漢方を飲むのはよいとのこと。)
◎体を温めること!(汗をかくくらい布団をかぶって寝ろ!とのこと。)
◎食事は胃腸に負担にならない消化の良いものを!(ビタミンCの摂取もよい。)
◎最初の2~3日で治してしまうことを心がけ、治ったと思っても数日は様子を見る。3日経っても良くならない場合、あるいは3日以内でも呼吸が困難なほどであればすぐに病院へ行くこと!(特にA型の人は決して我慢せず、早めの判断で医師に相談することをお勧めします。)

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※ABO血液型とコロナウィルスの関係について、後日、別の研究データも出されました。
(研究元についてまだ調査していませんが情報のリンク先のみ貼っておきます。)