2019-08-17

血液型でこれまでの政界をちょっと眺めてみました③

安倍総理は『美しい日本」を実現できるのか?


◇自民党の政権復活

2012年12月、野田内閣解散に伴い、衆議院議員総選挙が行われました。
結果は野党に甘んじていた自民党が294議席、公明党連立では2/3議席を確保し、大勝して与党に返り咲きました。
一方、民主党は前回衆議院選挙の230議席から57議席に激減してしまいます。この選挙では民主党から分裂した議員たちやその他の参入者によって12もの政党が立候補していたというのですから、自民党以外はいかに混迷していたかがよく分かります。

そして安倍晋三が、内閣総理大臣に再選されました。
前回の辞任劇があったために、安倍首相が再び立つに至るには、それなりの経緯があったようです。

2012年9月、自民党内で任期満了による総裁選が行われました。
それは秋に行われるであろう衆議院選挙を見据え、次期総理大臣となる人物を選ぶ重要な選任でもありました。

そのとき、裏方で動いていた人物の1人が、菅義偉でした。

菅義偉=O型

※現内閣の官房長官

菅義偉は今年5月、「令和」元号の発表を行い、"令和おじさん"としても知られることになりました。
以下の動画はテレビ東京でおこなわれたインタビューですが、ご自分のことと安倍首相との関係についてよく語られています。
「菅官房長官語る①~③」


動画(③)の中で菅義偉は、安倍晋三に出逢った時から、「いつかこの人を総理にしたい」と思ったと語っています。
それを受けたインタビューアが「なぜか?」と訪ねると、彼はこう言います。

「育ちもいいですし」
「経験も豊富」
「懐が深くて柔軟性もありますし」
「他の人とは一味違っていた」
「確固たる自分を持っている」

菅義偉は、一見穏やかで口調も静かな、控え目な人物にも見えますが、インタビューの中でも言っているとおり、「勝負するときはしなくちゃだめだ」という、なかなかの勝負師だというのが分かります。あるいは、「これはいける」「今だ」という直感もよく働かせているようで、このインタビューからも、そのO型らしさがよく表れています。

安倍晋三は、2007年の辞任の後、体調を回復させると11月には政務に戻りました。
その後は勉強会などを積極的に開き、人々の声なども聞きながら現在に至る構想をより固めていったのだと思われます。
インタビューの中で菅義偉が言うには、安倍首相は前回の辞め方を気にして最初は総裁選立候補を渋っていたようです。
しかし、今がまたとないチャンスだと直感している菅義偉は、安倍首相を何時間もかけて説得しました。

菅義偉の根気勝ちともいえますが、「O型とB型のおもり関係」が上手く働いていたのだとすれば、B型の安倍晋三を説得するにO型の菅義偉は最適任だったとも思えます。
O型の率直な言葉は、B型の気分をよりポジティブな方向に上昇させる効果があるからです。またO型は、他の人にはないB型特有の感性を高く評価することがよくあります。もちろんそれは、そのB型が有能な場合においての話ですが、菅義偉が、安倍晋三の「他の人とは一味違っていた」ところや、「柔軟性や懐の深さ」に好感を持ったのも、O型の食指が動いたからなのでしょう。

こうして菅義偉の直感どおり、安倍晋三は総裁に選ばれました。そして衆議院議員選挙に自民党が勝利すると、第二次安倍内閣が発足したのでした。
するとこの報道を聞いた一部の人々からは、(こう言っては失礼ですが…)「あの軟弱な安倍が…?」という声が、聞こえてきたのも事実です。
一般市民から見れば、菅義偉が言うような「懐の深さ」や「柔軟性」などの安倍晋三の人柄は、伝わってはこないのですから致し方ないことかもしれません。
安倍首相に対する市民の期待は、当初はそれほど大きくなかった気がします。しかしその後、意外に健闘しているというムードが広がり、支持率も上昇し始め、安定政権へと向かっていきました。

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安倍首相は、「美しい国日本をつくる」というスローガンを掲げ、「"戦後レジーム"からの船出」を目指すとしました。
また、経済政策としてはアベノミクスと名付け、三本の矢を柱にする政策を打ち出しています。

しかし、"美しい国日本"と言われても、具体的なイメージがなかなか浮かんできません。
それを説明する定義は、「活力とチャンスとやさしさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする世界に開かれた"美しい国、日本"」とされています。

また、安倍首相の著書「美しい国へ」の概要を見ると、「日本国家が変わろうとしている現在、日本を自信と誇りのもてる国家へとすることを理想とし、そのために保守、外交、社会保障、教育はどうあるべきかを説いている」とあります。

もう少し安倍首相の談話などからメッセージを拾ってみます。

安倍内閣総理大臣談話より
これは戦後70年を迎えるにあたっての声明文ですが、過去の戦争に対する経緯、追悼、お詫び、反省などを伝えると、今後の日本については次のように述べています。

「あの戦争には何ら関りのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」

では、安倍首相のいう戦後レジームとは?
日本で戦後レジームという場合は、第二次世界大戦後の日本において、GHQによって出来上がったとされる日本国憲法や、その他さまざまなシステムについてのことを指します。
つまり安倍首相は、これらの体制からの脱却を望んでいると思われます。

明確に要領をつかみきれないところはありますが、安倍首相の思いをイデオロギー的な視点を抜きにして、私なりに要約してみるなら
「敗戦からの自虐的な思いから脱却し、次の世代の子どもたちのためにも、国民が自信と誇りのもてる国にしたい。そのためには、ただしい歴史認識をした上で、自分たちの手で法を見直し、自分たちの手で国を守らなければならない。負の遺産を次世代に持ち越さないよう、今の我々の代でそれを行わなければならない」
ということであり、それは安倍首相の愛国心、そして使命感でもあるのでしょう。

一方の経済政策「アベノミクス」においては3つの矢として以下をあげています。
1.大胆な金融政策
2.機動的な財政政策
3.民間投資を喚起する成長戦略

そしてこれらは、小泉内閣の政策であった"小さな政府"を基本的に継承しながら行うものとしています。
また、具体的な最初の目標としては、20年来続くデフレからの脱却でした。
一方で、その他に取り上げられる重要課題としては、消費税増税、TPPなどの問題もあります。

まだまだいくつもの政策や課題が山積みになっている気がしますが、長期政権といわれるこの6年間で、どういう成果があったのか、国民の私たちにはよく分かっていないというのが正直なところでもあります。
また、安倍首相の描く「美しい日本」を、どれくらいの国民が共有、あるいは共感しているのかも、見えてこないように思えます。
そしていずれの政策も、日本国内だけではなく、他国との関係性を考慮せずには行えないという難問が横たわります。

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以下に、現在の代4次安倍改造内閣の顔ぶれと血液型を記載しておきます。
  • 総理大臣  安倍晋三
  • 副総理兼財務大臣 麻生太郎
  • 総務大臣  石田真敏
  • 法務大臣  山下貴司
  • 外務大臣  河野太郎
  • 文部科学大臣  柴山昌彦
  • 厚生労働大臣  根本匠
  • 農林水産大臣  吉川貴盛
  • 経済産業大臣  世耕弘成
  • 国土交通大臣  石井啓一
  • 環境大臣  原田義昭
  • 防衛大臣  岩屋毅
  • 官房長官  菅義偉
  • 復興担当大臣  渡辺博道
  • 国家公安委員長  山本順三
  • 経済再生担当大臣 茂木敏充
  • 沖縄・北方…大臣 宮腰光寛
  • 地方創生担当大臣 片山さつきO
  • 科学技術担当大臣 平井卓也
  • 五輪担当相大臣  桜田義孝
(O型=9名/A型=7名/B型=4名/AB型=0名)

第2次~第3次内閣までの顔ぶれではA型とB型が多く、O型が少なかったのですが、現内閣では、逆にO型が増え、その分他の血液型が減ったことになります。
血液型をリストアップしても、実際のところ、政治の場合はスポーツのようにチームワークを発揮するという単純なことではないので、血液型構成に何か意味を見出そうとするものではありません。
それでもO型が増えたことをB型安倍総理との関係性だけでいうなら、今の勢いを促進させるムードにはなりそうです。しかしO型とB型の関係で気をつけたい点は、トップに立つB型が力を失ったとき、O型は投げ出すのも早いということです。B型がO型に裏切られないためには、安易に弱みを見せないことも大切なのです。

また、安倍首相の同志としては麻生太郎副総理もいます。
麻生氏はA型ですが、A型が心強いのは、一度親交を深めたときには裏切る可能性が最も少ないことです。
麻生氏の声掛けで結成した議員グループ『NASAの会』には安倍首相も参加していますが、このメンバーが安倍内閣の骨組みを形成してきたようです。
故)中川昭一(A)
麻生太郎(A)
菅義偉(O)
甘利明(A)
安倍晋三(B)

安倍首相の周辺は案外A型が多いようです。
つまり、安倍首相はA型と協調していけるタイプのB型のようです。その点ではB型の脇の甘さをA型がフォローする形となり、今の安定政権も納得するところがあります。

補足として、政治家の行動に関する血液型的特徴は
「理念はあっても実際には現実的な行動をとるO型」
「理念と政策を柱に筋を通して行動するA型」
「理念というより談話や話し合い、根回しで解決しようとするB型」
などのことが言えます。



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