2019-01-20

知識と引き換えに失うもの

素直すぎるO型が教えてくれたこと


ずいぶん前の事ですが、学校の課題のために血液型をテーマに調査したいと、ひとりの女子中学生が事務所に訪ねてきました。
とても可愛いA型の女子でしたが、A型さんらしい、しっかり者の印象です。
ひとりで調べてココにやって来るには、きっと勇気がいたでしょう…。後日同伴されてきたお母さまも、自分の娘の行動ぶりに驚いたのだと話していたのを思い出します。

そしてその子が、非常に興味深いアンケートをとってくれたのでした。
実はその女子中学生にとっては、期待したほどの大きな結果は得られなかったのですが、研究側の私にとっては、とても深い内容が含まれていたのです。

その内容の質問とは、「幽霊を信じますか?」です。
過去に同じ質問を、能見正比古が行ったことがあります。
回答結果の全てをここでは書きませんが、否定的な回答についてだけいうと、以下のようになっていました。

「あるはずがない、くだらない!」・・・多い順に⇒O、A、B、ABでした。
(逆に「ある」と思うのは、AB型、B型の順で多いということになります。)

以下のような事柄も補足とし加えておきますが、いずれも血液型の気質をよく現しています。
O型に特徴的だった回答・・・「自分が見れば信じる」
(見たもの触れたものを信じるという、O型の現実性や信念的思考性の表れ)
B型に特徴的だった回答・・・「無いとはいえない」
(B型の正確性にこだわり一部の可能性を残しておく科学的思考性の表れ)


中学生女子が行ってくれたアンケート結果も、ほぼ同じ結果となりました。
そして彼女は、小学生たちにも同じ質問をしてくれたのですが、その結果が興味深いものだったのです。

何と、学年が低くなるにつれ、O型の「信じる!」率が増えていき、低学年では、血液型中、最もそれが多くなっているのです。

さて、これはどういうことか?

O型の性質はとても素直です。
ですから、教えられたことは素直に身に着くし、集団社会によく合わせるA型的な同調性とは違った意味で、社会システムに染まりやすいところがあります。社会構造に沿った信念体系を身に着けることは、O型にとっては生命存続のために必要不可欠なことなのです。

だとすれば、これまでの"科学信仰"一辺倒の社会にあっては、O型が幽霊を否定するのも無理の無いかことかもしれません。
「見たものしか信じない」というO型が多いのも、実像の世界しか認めない現代社会の中では、もっともな回答と言えそうです。

ところがそのO型が、幼少の頃は、見えないもの(幽霊)を一番信じていたという結果があったのです。
そう言えば、かつて京都の西陣保育園で「幽霊ごっこ」をした時に、最も怖がっていたのはO型の子たちだったという報告があったことを思い出しました。

知識がまだ無い、幼い頃のO型は、見えないもの、触れられないものも、感じ取ることができたのかもしれません。
もちろんこれは、幽霊を信じることが必要かどうかということとは、また別の話ではあります。

しかし、知識を得るに従って、その無防備な感受性は遠のくのかもしれません。
そして、いつか失う(忘れ去る)のかもしれません。
その失った・・・忘れ去られた部分に、何かとても重要なものがあるのでは?
そんなふうに、度々思う事があるのです。

すると社会や大人たちは、子どもを育てていく中で、何かを与える一方で何かを奪っているのではなかろうか。
そして私たち大人もまた、同じように子ども時代の成長過程を経ているのだとすれば、失ったものがあるのではないか。

子どもたちを観察することは、誠に興味深いことが多いのです。
それは私たちが失ってきた、何かを思い出させ、未来のための何かを教えてくれているに違いないのです。




2019-01-06

From SERBIA to Blood Type with Love

ABO system of blood types and positions in soccer team 



ABO system of blood types and positions in soccer team (English Edition)

2018/10/31
Kindle本
著者/Slobodan Petrovski、 Chieko Ichikawa
Amazon kindleストアで購入→

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セルビアから血液型の本が出版されました。
著者のSlobodan Petrovski氏はスポーツトレーナーですが、この本はサッカーと血液型の関係について書いてあります。

昨年のある日、Slobodanさんからメールが届きました。
「サッカーと血液型について本を書いているので、ぜひアドバイスを下さい…」

セルビア、セルビア・・・えっと、はい、もちろん聞いたことはありますよ。
けれど最近まではコソボ紛争なんていう、少々物騒なニュースを耳にしたぐらいの記憶しかない私は、慌てて調べることに。

セルビアとは、かつてユーゴスラビアに属し現在はセルビア共和国。首都はベオグラード。
"ベオグラード"は、聞いたことがあります。その耳心地の良い、美しい響き…。
Wikipediaには、ベオグラードとは、ドナウ川沿いにあるヨーロッパ最古の都市のひとつであり、ヨーロッパ最大の前史文明発祥の地、と記述されています。

セルビアと聞いて、コソボ紛争しか思い浮かばなかったとは、何とも申し訳ない。失礼いたしました。しかしベオグラードと思い出せば、それはたしか若い頃、「一度は行ってみたい憧れの都市」のひとつでありました。


美しい都市ですね!(Wikimedia Commons)

それにしても、そんな遠い遠い国から、こんな嬉しいお知らせが届くとは思ってもいませんでした。これぞインターネット時代の賜物。誰もが地球の隅々までつながることが出来るんですね。
Slobodanさんは、血液型の話をお父上から聞いていたとのことですが、彼のお父様がどういう経緯で血液型に興味を持っていたのかは、まだ詳しくは伺っていません。
しかし、ABO血液型が発見されたのが1900年。日本の古川竹二氏が血液型と人間の関係に気づいたのが1920年頃。能見正比古が血液型に関心を持ち始めたのが1940年頃。
そもそも血液型の発見はオーストリアで起こったことですし、ヨーロッパ近辺の方が日本よりも早く情報が広がったに違いありません。すると、日本のように深い研究は為されなかったとしても、輸血だけに留まらず人間の重要な情報として関心を抱いた人は、あちこちにいたのかもしれません。

世界中のいろんなところで、気づいている人々の声が、この先も少しずつ大きくなっていくのだとしたら、何て素晴らしいことでしょう。
私はこうして、時々海の向こうから届く、「私も、あなた方の研究に賛同していますよ~!」というお知らせに、何度励まされてきたことか。(日本で励まされることが少ないのは、ちょっぴり悲しいことだけれどね…)

さて、この本。主にサッカーのポジションと血液型の関係について、データを示しながら書かれてあります。
世界のプロサッカーチームや国際試合をモデルにしていますが、やはり血液型のデータがしっかり揃っているのは日本選手たちだけ、というところがあり、日本チームについて多く触れている本にもなっています。
そんなことで、私が日本のデータや内容を少しだけお手伝いしたものだから、私の名前も著者として並べて下さったというわけです。しかしほとんどはSlobodan Petrovski氏の仕事です。

サッカーについては、私自身があまりに勉強不足でその内容まで言及することは出来ないのですが、ポジションとの関係は確かにあり、チーム編成において血液型を考慮することは重要だというのは、昨年のW杯などを観ながら確信しております。

そうそう、書くのを忘れていましたが、著者のSlobodanさんの血液型はB型です。
またしてもB型!
外国で血液型に対する行動を起こすのは、なぜかB型ばかりです。もちろん問い合わせやコンタクトは、どの血液型もそれぞれいらっしゃいます。ところが、本を書いて出すとか、翻訳したいとか、ゼミをやりたいとか、そういう実際の行動を起こすのは、今のところ、私に連絡して下さった方、全てがB型なのです。

2019年がスタートしましたが、今年も海の向こうから朗報が届く予感…。
血液型で世界人類がつながる夢を、これからもずっと見続けていきます。

せっかくなのでセルビアの血液型分布を紹介しようと思いましたが、私がデータ元にしているOxfordのBlood Group Distribution は調査が古いためユーゴスラビアとしてのデータしかありませんでした。

旧ユーゴスラビア(YUGOSLAVIA)の血液型分布
(*現在はスロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、マケドニアにそれぞれ独立している。)
O型37%/A型42%/B型14%/AB型7%

ヨーロッパ西側に比較すれば、東側に位置する国々はB型がだいぶ多くなります。旧ユーゴスラビアはスラブ系民族が多いといわれ、古くには遊牧民も多く流入しているとのことです。遊牧の民となればB型族を象徴するようなところもありますね。