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2017-07-20

【科学ニュース】日本人のゲノムを解析したらどこにもない日本人特有の特徴が見 つかった!

日本の特異性とはいったい何を示すのか?


「日本の特異性について最近よく考えるのです」ということを、過去の記事でも書きましたが、歴史も地理もひどく苦手なわたしは、生まれた国でありながら日本についてはむしろ、無知無学と言ってもいいくらいです。しかし「血液型人間学」ということに関わったおかげで、”日本の人々”については考えさせられる機会がしばしばあります。

ただし、わたしが日本について考える動機というのは、他と少々異なっているかもしれません。

・なぜ日本で血液型の研究が早くから始まったのだろう?
・なぜ日本中にこんなに血液型が浸透したのだろう?
・日本の血液型分布(4:3:2:1)が特別なのには意味があるのだろうか?
・日本の人々は血液型の事実を受け入れてながら認めないのはなぜだろう?
・・・etc
という具合に、血液型がらみになるからです。

この研究は、新種の分野ということもあり、またそれを、能見正比古が”フィールドワーキング”という考えで大衆に広めた、というのがあり、実にさまざまな扱いが為されてきました。もちろん個々には、とても心温まる扱われ方もあるのですが、まあ日本社会全体...という観点からは、「ひどい扱われ方だなあ…」というのが多いのです。しかも困ったことに、「こんなもの要らない!」と相手にされないなら、それはそれで仕方ないですが、それでいて、興味シンシンのところがあり、あちこちから変な茶々が入ったりするので、何だかんだ、厄介なのです。それで、その度に、つくづく思うわけです。

「日本の人たちは、いったい、どうしたいんだろう?」

それにわたしは、海外でもこの研究を伝えていますので、日本と他国での、反応の違いというか、受入方の違いのようなものも、肌で感じたりもしてきました。あるいは、ことさら意識したくなくても、国内外の取材人らに「日本人はなぜ血液型が好きなんですか」と、度々聞かれたりするので、結局考えざるを得なくなるのです。

そんな背景があった上に、最近の世界の変わりようの中で、相変わらず、ノホホンとしている日本の人々を眺めながら、わたしのレーダーがやけに”日本人”に向いていたわけです。そこへもってきて、興味深いニュースが飛び込んできたので、「おや?」と思ったので、記録しておこうと思います。

日本人のゲノムは西洋はもちろん他のアジアとも異なる!?

東北大学らが、日本人およそ3500人の全遺伝子情報を解析したそうで、すると、世界中の何処とも異なる日本人だけの特異性があるらしいと分かったと言うのです。

東北大学がプレスリリースに概要を掲載しています。
日本人 3,554 人分の全ゲノムリファレンスパネルを作成 

ここでまず興味深いのは、他国と異なると言っても、西洋の人たちのことなら当然とも思うのですが、アジアの国ともだいぶ異なるという点なのです。

(プレスリリースから一部画像をお借りしました)
ベージュ色の集まりが今回のデータで、東アジアのそれと座標上で比較しています。
明らかに、異なるフィールドにいるという感じです。

アジアと言っても主に中国ですが、お隣の国ですから、もう少し近くてもよさそうなものです。これを聞いて、驚いた人もいるかもしれませんが、私のように、「ほら、やっぱりね!」と思った人も案外いるかもしれません。

以前、日本人は”記憶喪失に陥っているのかもしれない”ということを書いたのですが、今読み返すとかなり意味不明な文章で、読んでもらうには申し訳ないー。ここで要約すれば、「世の中があまりに違う形に変形していく中で、”日本魂”は封じ込められたのかもしれない」ということを書きたかったものなのです。

ですので、「ああ、やっぱり!」と、こうしたニュースを聞いて記憶を取り戻しかけていく日本人もいるかしらと、ちょっと期待しているのです。

また、それとは別に、日本の中でも多少の地域性が示されています。西日本、中部、東日本というふうに、きれな集合域を織りなすのが見て取れます。

そして、この日本地図の色分けが「あれ、確かどこかで見たことあるよ」というものだったので、下にここに並べてみることにします。
どこかで見たことあるというそれは、日本の血液型分布です。西日本、中部、東北という3つの区域で、ある程度はっきりした偏りを示しています。偏りと言っても数値的には数パーセントの事なのですが、それでも地域性といえるものとして、血液型学や民族学などの分野でしばしば取り上げられてきました。

この二つの図表は、妙に重なる感じがします。そしてこの集合域を最初の図表と重ねると、東北に行くほど他のアジアの人々から遠ざかるということになります。

それから、これに関連して、2年ほど前に縄文人のDNA解析が行われたというニュースも思い出しました。こちらにそのチームによる説明記事があります。(生命誌ジャーナル)

ここで、今回のニュースとは少し方向性がずれるかもしれないのですが、わたしの思うところを加えると、この縄文人のDNAというのは、福島の古墳から採取したものです。今回のDNA解析も東北大中心の研究だったせいもあり、東北人のサンプルが多いようです。つまり、「縄文人の特異なDNA」と、「東北へ進むにつれB型が多くなる」のと、今回の「他の国々とは異なる日本人のDNAの発見」という3つの事実は、微妙に関連性があるかもしれないというものです。

もちろん、これが何を意味するのか?というのは、まだよく分かりません。日本の歴史の縄文時代というのは、非常に謎に包まれています。縄文期から弥生期に変容した経緯も、未だによく分かりません。弥生人系の人々は朝鮮半島経由で大陸から渡ってきたと言われてきましたが、その辺りのことも不明な点が多くあります。(←最近のある見解では、弥生人系と縄文人系を明確に分ける証拠は、実はないのだとも言われていますが。)

それでは日本にもともと居たとされる縄文人はどこから来たのでしょう?どうやって発生したの?(←へんな表現ではありますが)縄文人のDNAは、南アメリカのインディアンとやや近いということも興味深いことです…やはり大昔には大陸があったのかも?…なんて。(そうです、アトランティスと並んで噂される幻の大陸、”ムー大陸”のことです。)

パズルのピースは、まだ揃っておりません。埋められないピースが多いのです。