日本で真実が伝わらない理由

たまたま見かけ、気になった記事がありました
江原啓之さんのインタビューです。
江原さんは、今や誰もが知っている日本を代表するスピリチュアリストです。
その名前が日本中に知れ渡ったのは、テレビで一時、盛んに放映していたスピリチュアル番組に出演していたからだと思います。

江原さんの番組の内容のほとんどは、芸能人の先祖霊や守護霊や過去世などを霊視して、彼ら彼女らの問題を当ててみたりアドバイスしたりするものだったよう。
その記事のインタビューで江原さんは
「みなさんに、スピリチュアルとはどういうものか、そして見えないものを理解してもらう必要があったから」というようなことを言っていました。

霊の世界を信じている人も居るが、信じていない人も居る。
それは自分で感じることだから良い悪いではない。
そしてまた、別の人々もいる。
何となく感じる気がするし、信じたい気もするけど、その証しがないから決められない、という人たち。
実は、そういう人たちが大多数ではないでしょうか。

だから、まずはその証を見せることも必要なのだ。
江原さんも、そう思ったのでしょう。
番組側と江原さんの考えが一致して、それは始まったのだと思います。…少なくも制作の段階では。
そしてみごとに反響が。
視聴者は、なるほどと感心し、驚き、ちょっと感動し、涙する場面もあったりして。
すると視聴率は、もっと上がりました。

けれどそこから先は、江原さんと番組側の意図が、少しずつズレ始めたのではないかと思います。
番組側は、視聴率を追いながら、ただひたすら同じことを繰り返す。
視聴者が飽きるまで。
そしてそろそろ、もういいだろうという頃、これもお決まりの、どこからともなく批判の声が聞こえ始める。
――彼の力は本物なのか?
――どうせ金儲けだ、商売だろ?
江原さんは、自分が伝えたい本当の意図とズレていることに気付いてきたのでしょう。
視聴率も下降を見せ始め、そしていろんな理由を付け加えて、やがて番組は終了します。

終わった後、番組側は、「この企画は大成功だった!」「世の中にスピリチュアルブームを起こした!」、そう満足し、功績になり、彼らにとっては過去となります。
しかしその主役となった江原さんの方はどうてましょう?
もどかしく、後味が悪いはず。
「でも少なくも、霊性の世界を少しでもお見せすることができたんだ」と、納得するより他にないかも。

では、視聴者はどうだったのかな?
「いやぁ、すっかりスピリチュアルブームだったねぇ」
江原啓之は特殊な能力を持つ霊能者で、なかなか良いことも言う人。

テレビを観ても、それ以上のことは分かりようがない。
一部の信奉者は居るでしょうが、多くは、だんだん忘れていきます。

これはテレビが、特に日本のテレビがずっとやってきたお決まりのパターンです。
江原さんは、自分の思いの半分も視聴者に伝える事はできなかったでしょう。
毎週、1年も2年も番組を続け、全国の人々にメッセージを届けるチャンスがたくさんありながら!

江原さんは、もっといろいろな事を視聴者に伝えられたのではないのかな。
もしかしたら私たちの知らない、もっと、重要な知識や知恵を、彼は持っているかもしれない。
なぜ、番組は、それらを引き出そうとしないのかしら。
なぜ、そういう番組作りをしないのでしょう?
もしも、番組側が、もっともっと、江原さんの魅力を引き出そうとしたら、何かイイものを視聴者に伝えようとしたら、視聴者にインスピレーションを与えることができたら。

江原さんは、日本を代表するスピリチュアリストとして、もっと磨きをかけたかもしれない。
そして視聴者も、傍観するだけでない、自分の問題として、新たな知恵を身に付けたかもしれない。
そうやって、お互いが成長できたかもしれない。
なぜ、そうはならないのでしょう?

でも、誰も不思議に思わないみたい。
テレビの役割って、こんなものなのかな。

そういえばテレビ番組のヤラセ問題がある時表面化し、それを機に、テレビに対する批判や疑惑が増えました。
ところが、うやむやのまま真相は明かされないので、捏造でないものまで、視聴者に疑惑を与えることになったりもしています。
――どうせヤラセでしょ。

でも、それでも、疑いを持ちながらも、「テレビなんてそんなモンだろ」と言いながら、人々はリモコンを手から離そうとはしない。
誰も、何も、改善されずに、永遠と茶番劇は続く。

私には、全く信じられない。
見えない霊より、この今の現実の方が、よほど信じられない。

インタビューのやり取りに答える江原さんの、やるせなさが伝わってきました。
私は、「血液型人間学」という事を、ずっとやってきているから、江原さんの気持ちに共感してしまいます。
経緯も、成り行きも、まったくと言っていいほど同じ経験をしているのですから。

私はこうやって、テレビ批判ばかりしているけど、ほんとは、テレビだけの問題ではないのでしょう。
マスメディア全部がそうだし、それらを形成している人々もまた、それに慣れ、疑問を感じなくなって、結局日本全体として、そんな風に動いていきます。

テレビがもっと出来ることがあるはずだと、将来に期待します。